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【第3回】ホワイトペーパーにはどんな種類がある?目的別の4タイプを解説
この記事の要約
- ホワイトペーパーの種類は大きく4タイプに分類できる。
- 4タイプはユーザーの購買フェーズに応じて分類される。
- 4タイプのホワイトペーパーは、それぞれ目的が異なる。
- ホワイトペーパーの種類に応じて適切なテーマ設定が必要である。
「ホワイトペーパーに興味はあるけれど、頼れる本もサイトも見つからない…」
「上司からの指示で独学で始めてみたけれど、どうせならイチから学びたい…」
そんな方のための、ホワイトペーパーを基礎から学べるシリーズです。
前回はホワイトペーパーのメリットを詳しく紹介しました。
→【第2回】ホワイトペーパーのメリットとは?BtoBと好相性な理由も解説
今回はホワイトペーパーの種類について解説します。ホワイトペーパーは「働きかけたいユーザーがどの購買フェーズにいるか」「どのような態度変容を起こしたいか」によって、4タイプに分類することができます。
1.ホワイトペーパーは「起こしたい態度変容」で分類できる
ホワイトペーパーは情報の提供を通じてユーザーの購買意欲を段階的に高めていく施策です。働きかけたいユーザーがどの購買フェーズにいるかによって、「潜在期向けタイプ」「興味関心期向けタイプ」「情報収集期向けタイプ」「比較検討期向けタイプ」の4タイプに分類できます。
効果的に態度変容を促すには、これら4タイプの購買フェーズに対して「どのようなテーマのホワイトペーパーを提供するか」が重要です。
ホワイトペーパーのテーマは、大きく「業務ノウハウ系」「マーケットリサーチ系」「市場ニュース系」「入門ガイド系」「事例集系」「サービス比較系」の6つがあり、それぞれ適した購買フェーズが異なります。
【潜在期】に適したテーマ
- 業務ノウハウ系
- マーケットリサーチ系
- 市場ニュース系
【興味関心期】に適したテーマ
- 入門ガイド系
【情報収集期】に適したテーマ
- 事例集系
【比較検討期】に適したテーマ
- サービス比較系
購買フェーズによって分類した4タイプを、テーマ(切り口)によって細分化するイメージです。
2.目的が異なる4種類のホワイトペーパー
それでは4種類のホワイトペーパーについて、目的やメリットを説明します。
【1】潜在期向けタイプ
ニーズは顕在化していないが将来的に顧客になり得る「潜在期」のユーザー(※)に向け、日常的な業務改善や情報収集に役立つ情報を発信することで、早期の囲い込みやブランディングの確立を狙うホワイトペーパーです。
※属性(業界、企業規模、所属部署など)の条件を満たす一方で、課題に対する自覚や認識が不足(または欠如)しているユーザーを指す。
適したテーマ
【内容】
【タイトル例】
- 「Webマーケティングの施策カタログ20選」(業務ノウハウ系)
- 「営業向け!顧客管理の実践ノウハウ」(業務ノウハウ系)
- 「若年層のネット利用動向調査」(マーケットリサーチ系)
- 「どう変わる?『Google for Jobs』徹底解説」(市場ニュース系)
ユーザーに起きる変化
【ホワイトペーパーを読む前】
- 業務上の課題に気付いていない
- 日常の業務になんとなく課題を感じている
【ホワイトペーパーを読んだ後】
- 課題に気付き、解決策となるサービス分野に興味を持つ
- 課題を感じていた分野について、解決策となるサービスに興味を持つ
企業のメリット
- 将来の顧客候補に早期接触できる
- 継続的な接触により会社やサービスを印象付ける
- 有益な情報の提供でユーザーからの信頼を獲得できる
ユーザーのメリット
- 日常の業務における小さな課題を解決し、業務を効率化できる
- 業界全体の最新かつ正確な情報を入手できる
【2】興味関心期向けタイプ
解決したい課題や興味のあるサービスはあるがまだ具体的な検討には至っていない「興味関心期」のユーザーに向け、対象分野の概要を解説する情報を発信することで、サービスに対する関心の強化とリード情報の獲得を目指すホワイトペーパーです。
適したテーマ
【内容】
【タイトル例】
- 「ホワイトペーパー完全ガイド」(入門ガイド系)
- 「情シス担当者のためのBIツール導入の手引き」(入門ガイド系)
ユーザーに起きる変化
【ホワイトペーパーを読む前】
- サービスに興味はあるが、理解が浅く、導入のイメージができていない
【ホワイトペーパーを読んだ後】
- 課題の解決策となるサービス分野の概要を理解し、さらに詳しく知りたいと思う
企業のメリット
- 最初期の見込み客のリード情報を獲得できる
- サービス分野に対するユーザーの理解と関心を深める
ユーザーのメリット
- 特定のサービス分野の概要をコンパクトに把握できる
- 課題意識を明確に整理できる
【3】情報収集期向けタイプ
特定のサービスを積極的に調べる「情報収集期」のユーザーに向け、サービスが実際にどのように使われているかの情報を発信することで、利用イメージを具体化してもらい、問い合わせの確度を高めることを目的としたホワイトペーパーです。
適したテーマ
【内容】
【タイトル例】
- 「どう変わる?SFA導入のメリットと課題」(事例集系)
- 「成功事例に学ぶRPAの活用術」(事例集系)
ユーザーに起きる変化
【ホワイトペーパーを読む前】
- 課題解決につながるサービス分野について、詳細な情報を求めている
【ホワイトペーパーを読んだ後】
- 解決策となるサービスについて、具体的な利用イメージを持つ
企業のメリット
- 確度の高い見込み客のリード情報を獲得・選別できる
- ターゲット(検討課題)ごとに細かなテーマ設定の情報を提供できる
- サービスで「できること/できないこと」を、具体的にイメージしてもらえる
ユーザーのメリット
- 自社の課題解決に役立つか、シミュレーションできる
【4】比較検討期向けタイプ
何らかのサービスの購入はほぼ決まり最終的に採用するものを選定している「比較検討期」のユーザーに向け、複雑なサービス同士を比較するためのノウハウや検討軸を提供することで、自社にとって最適なサービスを選んだ上での問い合わせ獲得を目的としたホワイトペーパーです。
適したテーマ
【内容】
【タイトル例】
- 「最適なDBサービスの見極め方」(サービス比較系)
- 「【2019年版】ウイルス対策ソフト徹底比較」(サービス比較系)
ユーザーに起きる変化
【ホワイトペーパーを読む前】
- 自社の課題解決に最適なサービスを探している
【ホワイトペーパーを読んだ後】
- サービス間の諸条件を比較し、導入サービスを決定する
企業のメリット
- 非常に確度の高い見込み客のリード情報を選別できる
- 課題と自社サービスとのマッチング精度を高め、導入後の満足度向上につなげることができる
- 判断の軸を提供することで合理的な判断を促せる
ユーザーのメリット
- 性能面のみならず、費用面やサポート面からも自社に最適なサービスを選べる
3.4タイプのホワイトペーパーに適したテーマとは?
上述のように、4タイプのホワイトペーパーにはそれぞれ適したテーマがあります。適したタイプごとに、それぞれ説明します
【潜在期向けタイプ】業務ノウハウ系
特定のサービス分野に関する課題解決に役立つノウハウをまとめたホワイトペーパーです。
ポイントは、ユーザーが抱えている課題を広く捉え、ユーザー自身が気付かない専門家ならではの解決策を、「なぜその課題を解決する必要があるのか」という理由とともに提示することです。それによって、より多くの潜在期ユーザーのリード情報を獲得でき、サービス分野に対するニーズの顕在化と、自社ブランドのイメージ強化が期待できます。
【潜在期向けタイプ】マーケットリサーチ系
特定サービス分野のマーケットを独自に調査した結果をまとめたホワイトペーパーですが、調査内容はさまざまです。
例えば「あるサービスの利用率/導入率のアンケート調査」や「特定サービス分野が属す業界の動向と展望」など、自社のマーケティングに活用する目的で収集した情報をユーザーに分かりやすい形に変換して提供します。
【潜在期向けタイプ】市場ニュース系
ニュースの中でも専門性の高い内容を解説する場合に活用するホワイトペーパーです。「時事性の強い業務ノウハウ系」とも言えるでしょう。
例えば、2018年にGDRP(※)が施行され話題となりましたが、そのタイミングで「Web担当者必見!GDPRの基本と対策」のようなホワイトペーパーを出すイメージです。
※GDPR:EU一般データ保護規則。Webサイトでのユーザー情報の扱いが厳格化され、日本国内向けであってもEU内のユーザーからのアクセスがあれば対象となるため、早急な対処が必要とされた。
【興味関心期向けタイプ】入門ガイド系
特定サービスの導入を検討するにあたり、押さえておくべき基本情報をまとめたホワイトペーパーです。
初期検討に必要な情報を過不足なく提供することで「ニーズにマッチしたサービスかどうかをすばやく判断してもらえる」「詳細な検討に進む前にユーザーの知識レベルを揃えることができる」という効果があります。
【情報収集期向けタイプ】事例集系
特定サービスを実際に導入した企業の事例や成功例を、導入の背景や選定ポイント、現在の使用例などを交えて紹介するホワイトペーパーです。
明確な導入イメージを与えることができるため、情報収集期にあるユーザーの態度変容を促すことが期待できます。ユーザーの属性(業種、企業規模など)や課題の種類に合わせてさまざまな切り口のホワイトペーパーを用意すると効果的です。
【比較検討期向けタイプ】サービス比較系
自社サービスを含め、同列に位置付けられるサービスを一挙に紹介するホワイトペーパーです。
競合他社まで含めてサービスを紹介することはユーザーの比較検討の手間を省くだけでなく、自社サービスによりマッチしたユーザーをふるい分けるというメリットがあります。
加えて「比較のポイント」を紹介すればユーザーに判断指標を与えられますが、信頼関係を構築する上では、自社に有利なポイントばかりを提示しないことが大切です。
【その他】用語集系
特定のサービス分野に関する用語の解説集です。用語の意味を知りたいユーザーはサービス分野について詳しく知らないケースが多いため、潜在期から興味関心期のリード情報獲得に効果を発揮すると言われることもあります。
ただし、用語集はWebコンテンツとして公開したほうがSEO対策として有利であり、またユーザーの具体的な関心事を見極めにくく、その後の展開につなげづらいことから、ホワイトペーパーでは扱いが難しいテーマであると言えます。
4.まとめ
今回はホワイトペーパーの種類について解説しました。
ユーザーの理解を効果的に促進(=育成)するには、どの購買フェーズに対して、どのテーマのホワイトペーパーを提供するかが大切です。
対象タイプ | 潜在期 | 興味関心期 | 情報収集期 | 比較検討期 |
---|---|---|---|---|
ターゲット | ニーズは顕在化していないが、将来的に顧客になり得る | 特定のサービス分野に興味はあるが、具体的な検討には至っていない | 特定のサービス分野を自社の課題解決の選択肢として捉え、詳細な情報収集を行っている | 特定分野のサービス導入はほぼ決まり、採用サービスを選定している |
目的 | 見込み客との接触機会を最大化する | 初期リードを獲得する | さまざまな観点からの検討を促し、確度を高める | 最適なサービスを選んでもらう |
適したテーマ | ・業務ノウハウ系 ・マーケットリサーチ系 ・市場ニュース系 |
・入門ガイド系 | ・事例集系 | ・サービス比較系 |